大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

3分で分かる図解『妻のトリセツ』

 「妻との幸せな暮らしを過ごすためのヒントが満載」と今話題の『妻のトリセツ』を読みました!

 「女性は意見ではなく共感を求めている」「欧米人のストレートな愛情表現を見習おう」など、これまでにもよく指摘されてきたことも多いのですが、脳科学の見地から「なるほど!」と思うことも多かったです。

 読了後に本書のポイントを3分で分かる図解にしてまとめました。

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 まず、世の中の「妻」の多くは、育児、家事、ママ友たちとの人間関係、仕事をしている人であれば仕事も含めて、気持ちが休まるときがほとんどなく、特に周産期・授乳期は大量にストレスを溜め込み、常にイライラしているとしています。

 こうしたストレスを発散させないと、メンタルが持たなくなるため、その「怒り」を放電させる対象として、悲しいかな「夫」という存在は欠かせないといいます。なので、『妻のトリセツ』という、その怒りをゼロにするノウハウが書かれていそうな雰囲気がある本書ですが、それは無理なことで、「妻の10ある怒りを5にするための書」として見てもらいたいと、最初に断り書きがしてあります。

 そんな悲しい現実を前提に、図解の下部にある「理解すべき女性の特徴」「『ネガティブトリガー』を作らない」「『ポジティブトリガー』を作る」の3つを解説しているのが本書となります。

 詳細は図解を見てもらいたいのですが、軸となるのは、こうした女性の「怒り」は、単なる怒りではなく、女性の立場で家族を守るための本能に基づいている、というところです。例えば、女性が過去の夫からの無神経な暴言を細かく覚えているのは、ネガティブ情報をしっかりと記憶しており、その情報を一気に手繰り寄せて展開し、危険を回避するための本能である、としています。よく「女性は感情の生き物」と切って捨てて、その意義や科学的根拠が検証されることが少ないかと思いますが、本書を読むと、「女性の感情は危機を回避するためのセーフティーネット」であると、よく理解できます。

 男女差別という言葉は、フェミニストなどの女性の地位向上運動などに結びつき、男性からすると本能的な嫌悪感を抱く方もいるかもしれませんが、そもそも男女の性別が違うことは当然のことであり、それぞれが違うけれども、それぞれに良さがあることで、この世の中に男女という性差があることの意味や意義にもなっていると思います。

 「男性が我慢すべき」との記述も多く、決して一読すれば妻をうまく扱える便利な「トリセツ」というわけではないですが、逆に今まで気づかなかった「妻が我慢していたこと」にも多く気づくことができるため、性差の意味や意義を改めて考えるという機会になるかと思います。