大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

やっぱり京アニはすごい!「バジャのスタジオ」(京都アニメーション、三好一郎監督)

 「京アニはやっぱりすごい!」と涙しました。

©株式会社京都アニメーション All rights reserved

NHKが「バジャのスタジオ」をテレビ初放送

 祝日だった11月4日(月)。惰眠をむさぼるつもりだった休日の朝、7歳の息子に叩き起こされ、「ニュースでも見るか…」とNHKにチャンネルを合わせました。すると、たまたま放映されていたアニメに、息子とともに一気に引き寄せられてしまったんです。

 放映されていたのは「バジャのスタジオ」。あの京都アニメーションが自主制作したの短編作品で、監督は放火事件でお亡くなりになった三好一郎(本名:木上益治)さんです。2017年に制作され、イベント「届け!京アニ&Doのいろいろ編」で上映された作品が、今回、テレビ初放送されました(NHKの紹介ページはこちら)。

「バジャのスタジオ」のストーリー概要

 ハムスターのような謎のかわいい小動物が、「バジャ」と名付けられ、とあるアニメ制作会社のペットとして可愛がられていました。

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 このアニメ制作会社は、「ココ」という名前の魔法少女が主人公のアニメを制作しています。スタッフたちが帰宅すると、バジャは会社に一人残されます。バジャの目に映るのは、真っ暗な仕事部屋と、そこに飾られているココの人形と、悪役の「ギー」の人形くらい。

 バジャは、スタッフたちに可愛がられ、幸せでした。ただ、友達が欲しかった。窓の外に見える小さな池にはいつも、アヒルの人形が浮かんでいます。バジャはこのアヒルの人形は友達だと思い込み、いつか一緒に遊べる日が来るのではないかと、夢見ていました。

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 そんなある夜、事件が起こります。いつものようにバジャが窓からアヒルの人形を眺めていると、野良猫が現われ、アヒルの人形を叩いたり噛んだりし始めたのです…。

「バジャのスタジオ」の感想

 息子と一緒に見ながら、目頭が熱くなってしまい、涙を堪えるのに必死だったんですよね(若干こぼれました)。理由は3つあります。

京アニ品質」で表現されたアニメの伝統

 まず、バジャがかわいいんですよね。アニメならではの動きが愛らしく、一つひとつの動作にクスっとしてしまい、とても幸せな気持ちになります。

 こうした動物の愛らしい動きは、ディズニーを起源とするもので、数多くのアニメで表現されています。ただ、京アニの作品で愛らしい動物の動きを表現した作品を見たのは初めてな印象(実際はあるのかもですが、それが「主」ではないことが多いので)を受けました。アニメの伝統の一つとも言える表現を、「京アニ品質」で見れたことに、ある種の感動を感じました。

幸せだけど、何か足りない

 もう一つが、バジャの「幸せだけど、何か足りない」という内なる思いに、今の自分を重ねて観たことです。

 バジャはたくさんのスタッフに愛され幸せですが、「友達が欲しい」という内なる思いを持ち続けています。「幸せだけど、何か足りない」のです。

 小さな生き物の話ですが、そこにどこか自分の今の心境を代弁してくれているように感じました。「幸せだけど、何か足りない」という思いは、年齢や性別を超えて、多くの人たちが持っているのではないでしょうか。少なくとも、私はバジャの内なる思いに共感し、自分を重ね、応援したくなり、作品が終わるまでずっと、心を動かされ続けました。

京アニは生きている」

 最後に、京都アニメーションの作品なので、やはりあの放火事件を思い起こしてしまったことがあります。

 京アニの作品は、「クラナド」のようなエロゲーを原作にしたものから観始めて、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん」と観てきました。作品や監督だけではなく、注目の制作会社として、新作を待ちわびるようになりました。

 京アニのどこが好きなのかは、正直、よく分かりません。「クオリティが高い」「オタクのツボを知っている」などの評価は多く、そこは強く同意なのですが、そこだけではないようにも思えます。ただ言えるのは、あの放火事件をニュースで初めて知ったとき、「ものすごく大切な世界のユニークを失いつつある」と感じたことです。

 「バジャのスタジオ」を観終わったときに、放火事件後に初めて作られた作品と信じ込み、「京アニは生きている」と安堵し、目頭が熱くなりました。最初に観たときは、制作時期や監督情報を知らず、ただ「京アニの新作だ!」と感じたためです。ただ、実際は放火事件前に制作された作品ですから、完全に勘違いですよね。。。

 「京アニは生きている」と本当の安堵を得るのはまだ先のことなのかもしれませんが、今はこの勘違いが、一日でも早く現実のものになることを、願うばかりです。

3分で分かる図解『妻のトリセツ』

 「妻との幸せな暮らしを過ごすためのヒントが満載」と今話題の『妻のトリセツ』を読みました!

 「女性は意見ではなく共感を求めている」「欧米人のストレートな愛情表現を見習おう」など、これまでにもよく指摘されてきたことも多いのですが、脳科学の見地から「なるほど!」と思うことも多かったです。

 読了後に本書のポイントを3分で分かる図解にしてまとめました。

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 まず、世の中の「妻」の多くは、育児、家事、ママ友たちとの人間関係、仕事をしている人であれば仕事も含めて、気持ちが休まるときがほとんどなく、特に周産期・授乳期は大量にストレスを溜め込み、常にイライラしているとしています。

 こうしたストレスを発散させないと、メンタルが持たなくなるため、その「怒り」を放電させる対象として、悲しいかな「夫」という存在は欠かせないといいます。なので、『妻のトリセツ』という、その怒りをゼロにするノウハウが書かれていそうな雰囲気がある本書ですが、それは無理なことで、「妻の10ある怒りを5にするための書」として見てもらいたいと、最初に断り書きがしてあります。

 そんな悲しい現実を前提に、図解の下部にある「理解すべき女性の特徴」「『ネガティブトリガー』を作らない」「『ポジティブトリガー』を作る」の3つを解説しているのが本書となります。

 詳細は図解を見てもらいたいのですが、軸となるのは、こうした女性の「怒り」は、単なる怒りではなく、女性の立場で家族を守るための本能に基づいている、というところです。例えば、女性が過去の夫からの無神経な暴言を細かく覚えているのは、ネガティブ情報をしっかりと記憶しており、その情報を一気に手繰り寄せて展開し、危険を回避するための本能である、としています。よく「女性は感情の生き物」と切って捨てて、その意義や科学的根拠が検証されることが少ないかと思いますが、本書を読むと、「女性の感情は危機を回避するためのセーフティーネット」であると、よく理解できます。

 男女差別という言葉は、フェミニストなどの女性の地位向上運動などに結びつき、男性からすると本能的な嫌悪感を抱く方もいるかもしれませんが、そもそも男女の性別が違うことは当然のことであり、それぞれが違うけれども、それぞれに良さがあることで、この世の中に男女という性差があることの意味や意義にもなっていると思います。

 「男性が我慢すべき」との記述も多く、決して一読すれば妻をうまく扱える便利な「トリセツ」というわけではないですが、逆に今まで気づかなかった「妻が我慢していたこと」にも多く気づくことができるため、性差の意味や意義を改めて考えるという機会になるかと思います。

 

 

戦争時代の健気な命から「幸せとは」問う「この世界の片隅に」

 「君の名は。」に味をしめた三匹のおっさんが二匹目のドジョウを狙って敢行した映画鑑賞会(関連記事『新しくないのに新しい超新鮮で感動的な恋愛物語「君の名は。」』)。「流行っている映画は絶対に泣ける!」と、今話題の「この世界の片隅に」をバスタオル片手にキャッキャッしつつ見に逝ってきました。

昭和20年に近づく小さな幸せ

 戦時中の広島市江波。絵が得意な少女「浦野すず」は、両親と兄妹の5人家族で、幼馴染の青年「水原」への淡い恋心などを抱きつつ、貧しいながらも幸せな日々を送っていました。

 18歳に成長したすずに、突然、縁談の話が舞い込みます。わけも分からないまま話は進み、すずは顔も知らない、行ったこともない軍港の街、広島の呉の北條家へ嫁ぐことになりました。

 優しい夫とその両親の一方、義姉は厳しく、つらく当たられることもしばしば。それでもすずは、義姉の娘の晴美と姉妹のように仲良くしながら、配給物資が少ない中でさまざまな工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描いたりしながら、毎日のくらしを積み重ねていきます。

 いつしかすずは、北條家の一員として欠かせない存在となっていました。そんな小さな幸せが育まれていく中、日本は敗戦に向かって突き進んでいき、とうとう、広島は昭和20年の夏を迎えようとしていました。

見る者引き込む緻密な描写

 冒頭、幼い雰囲気のキャラクターデザインが目に付き、すずの本編なのか想像なのかが分かりづらい唐突な妄想(特にラスト部分はミスリードするとギョッとするかと思います…)に少し戸惑いましたが、緻密に描かれる昭和初期の日本、その時代の少女の健気な日常と生活の物語に引き込まれ、気が付いたらすぐに夢中になっていました。

 この物語で魅力的なのは、静かに、主張せずに、「幸せとは何か」を問いかけてくるところです。相手の顔も知らず、土地感もない場所へ嫁ぐことなど、今の時代にはありえないことでしょう。それでも、そのことを恨まず、前向きに、今を懸命に生きるすずの姿に、心打たれます。

置かれた場所で、本気で

 思い起こしたのは、2つの書籍です。まずは少し前にベストセラーになった『置かれた場所で咲きなさい』。時代や誰かのせいにしたり、自分を責めたりしても、何も変わりません。できることは、その場所で、今の自分で、目の前の今を懸命に生き、自分で自分の幸せを掴もうとする以外、幸せを感じるすべはないことを説いた書籍です。

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場所で咲きなさい

 もう一つは、『本気で生きる以外に人生を楽しくする方法があったら教えてくれ』。幸せが「楽しい人生」であるとしたら、それは「本気で生きる」以外に方法がないことを、何かを求めてあらゆることから逃げ、果ては国外逃亡、その後の苦難の海外生活などの経験を通じて、「本気」の重要性を説いたソウルフルな作品です。

 本作にはそんなソウルフルな印象はほぼないですが、置かれた場所で、本気で生き抜くことで、徐々に幸せを見出していくすずに、上記2作品の骨子が見え隠れしたと感じました。その様子を、大げさな演出をせず、あくまで当時の日常を緻密に描くことで表現しているところに、この作品の「凄み」があるのではないでしょうか。

 そんなすずと周辺の決して特別ではない、この世界の片隅にある小さな幸せが、戦争という時代背景の中で簡単に、残酷に奪われていくところに、幸せの儚さと有難さが暗に表現されていました。

見えざる幸せのための役割

 ネタバレになるので詳しく書きませんが、いつもぼんやりしているすずが、ただただぼんやりしていたわけではないと感じる場面が、後半に数カ所出てきます。某有名映画監督は、この映画を「すずがぼんやりしていて殴りたかった」とコメントしたようですが、果たして本当にそうなのでしょうか?個人的には、すずがぼんやりしているように見えた、あるいはそう感じるキャラクターであったのは、周りの幸せを慮った役割を演じていたためなのではないかと、感じずにはいられません。

 自分自身が、そして周りが幸せになるために、ただただ今を懸命に生きたすず。そんな自分の役割が揺らいだ瞬間、そんな自分の努力が何だったのかを問われた瞬間、その時に珍しくすずが本音を吐露する描写は、この作品の魅力の一つなのではないでしょうか。詳しくは本編を見ていただきたいですが、名詩集『星とたんぽぽ』の一節「昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ」を思い起こしました。

ほしとたんぽぽ

ほしとたんぽぽ

「劇場アニメイヤー」が影響?

 ということで、色々と考えさせられた「この世界の片隅に」。本作が名作であることに変わりはないと思うのですが、ネット上での異様なほどの人気、立ち見も出ているほどの熱狂(公開している劇場が少ないこともあるようですが…)には、正直、「なぜ?」とも思ってしまいます。どちらかというと、熱狂して波及していく作品というよりかは、静かに伝わっていく作品という印象があったためです。

 おそらく、今年は「シン・ゴジラ」「君の名は。」と劇場アニメの大当たり年だったので、劇場アニメに対する熱狂がネットを中心に生まれて、地味だけど骨太の本作が、次の話題として取り上げられている、という感じなんすかね?それとも、反グローバリズムや反資本主義の流れの中で、「幸せとは」の問題提起に幅広い関心が集まっているんですかね。

 ということで、「シベリア超特急」のような派手さはなくとも、考えさせる良作をお探しの方には、とてもオススメの作品です。ちなみに、筆者含めた三匹のおっさんは鑑賞後、健気なすずを酒の肴に、コストコで買ってきた特大ピザとビールで盛り上がらせていただきました。いやー、映画とコストコって本当にいいもんですね。

シベリア超特急 劇場公開完全版 [DVD]

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「禅」に学ぶ内省して確認したい14の習慣と6つの姿勢

 「どうしてあんなことを言ってしまったのか…」「なぜこんなことを…」と後悔してしまうことはありませんか。そんなことが積み重なり、寝る前やふと空いた時間に自らの言動を振り返り、二度と後悔することがないよう、反省することはとても重要なことでしょう。

 そんな時、しっかりとした教えを参考にすると、大変有意義な内省の時間になるのではないでしょうか。今回はその教えを「禅」に頼り、内省の際に「これだけは」という14の習慣を紹介したいと思います。

シンプルに考える

 内省し始めると、あれこれ考えて、時間ばかりかかるものの、結局、何に悩み、何を改善すべきなのかが分からなくなってしまうこと、ありませんか。

 今回、参考にしたのは、「禅、シンプル生活のすすめ」(枡野俊明著)。著者は曹洞宗徳雄山建功寺住職で、庭園デザイナーでもあり、多摩美術大学環境デザイン学科教授、ブリティッシュ・コロンビア大学特別教授という「禅」の世界では有名な方のようです。2006年にはニューズウィーク日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれています。

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 本書では、「禅とは人間がこの世で生きていくための根本となる教え」としており、具体的には「人が幸せに生きるための習慣であり、考え方であり、ヒント」としています。つまり、深くてやさしい、「生きる知恵の宝庫」と言えます。

 まず、本書によると「不立文字(ふりゅうもんじ)、教外別伝(きょうげべつでん)、直指人心(じきしにんしん)、見性成仏(けんしょうじょうぶつ)」が禅を象徴する教えと説きます。これは、文字や言葉にとらわれ、他人の価値観に振り回されず、余計な悩みなどの無駄なものをすべてそぎ落とし、今ここにいる自分の「本来の姿」にこそ真理があるとする考え方です。

 要するに、「本当の自分の幸せ」について、限りなくシンプルに考えよう、そのための習慣を身に付けよう、ということです。「あれもこれも」と「欲」が出てくると、人はさまざまなしがらみに悩まされ、結局、それら一つひとつの欲を満たすこともできず、「これだけは」という欲、「本当の自分の幸せ」さえも失ってしまうことになりかねません。だからこそ、「本当の自分の幸せ」をしっかりと見つめて、それだけを満たせれば良しとする姿勢が、禅の基本精神と言えそうです。

今すぐできる禅の習慣14

 それでは今すぐできる禅の習慣を列挙してみたいと思います。すべて、本当に今すぐできて、シンプルながら効果てきめんと思われます。

  1. ボーっとする時間を持つ
  2. 15分早起きする
  3. 朝起きたらまず、朝の空気を味わう
  4. 脱いだ靴はそろえる
  5. いらないものは捨てる
  6. 大きな声で話す
  7. 週に1回は肉と魚を食べない日をつくる(野菜断食)
  8. 「考えても仕方がないな」と思った瞬間に「ま、いっか」と言ってみる
  9. 1日1回はゆっくり呼吸し、ただ静かに座ってみる
  10. 1日1回は手を合わせる時間をつくる(仏壇や自分の信じる神様、両親など)
  11. 毎日、夕焼けを眺め、季節の移ろいを全身で感じる
  12. 一輪の花や動物など何かを育てる
  13. 1日1回は目の前の今やっていることは一生懸命にやる
  14. 家族が集まる日をつくる

 本書では30の習慣として紹介されていますが、「今すぐできる」とかぶりの排除を基準に、個人的な感覚で14の習慣として整理させていただきました。また、一部は表現や解釈も少し変更してあります。

悩みを抱えない6つの考え方

 それとおまけで、6つの考え方の姿勢も整理してみました。読めば当たり前のことですが、シンプルに考え、余計な悩みを抱えないためには、非常に重要なことだと感じます。

  1. 人のせいにしない
  2. 人と比べない
  3. 自分にないものを求めない
  4. 自分自身を大切にする
  5. 「もったいない」という心を忘れない
  6. 他人の長所に目を向ける

 いかがでしたでしょうか。それぞれの解釈によって習慣も考え方も変わってくるとは思いますが、シンプル思考のヒントにはなるのではないでしょうか。何か悩みを抱えたときは、まずこれらを確認してみてはどうでしょう。「こんな簡単な…」と思われるかもしれませんが、悩みもその答えも、案外、シンプルかもしれませんよ。

日めくり 一日一禅 ([実用品])

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なぜ人は仕事で悩むのか、3500人への取材を通じて見えてきたこと

 多かれ少なかれ、働く人は皆、悩みを抱えています。なぜでしょう。14年間の記者生活で、少なくとも3500人以上の起業家やサラリーマンへ取材してきましたが、共通して言えることがたった一つあります。

仕事は人生そのもの

 人はなぜ仕事をするのでしょうか。「食べるため」「自己実現のため」「楽しいから」など、働く人の数だけ理由があるかと思います。

 仕事をする理由は十人十色ですが、睡眠と食事を除き、趣味や娯楽以上に人生の大半の時間を占めるものであることは、変わらない事実なのではないでしょうか(ちょこっとだけ仕事をしているという特殊な方もいるでしょうけれど…)。

 それが良いか悪いかは別として、仕事は人生を形作る最大の要素です。「やりがいを感じない…」「出世したい…」「人間関係がギクシャクしている…」などと悩まされる根底には、仕事が人生そのものであるという現実があります。

こだわりとあきらめ

 取材してきた3500人以上の起業家やサラリーマンは、管理職以上の方々が多く、仕事の悩みに向き合うための知恵を持っていることが大半でした。「前向きに人の話を聞く」「徹底的に働き、思いっきり休む」「常に本音で語る」などさまざな知恵を教えていただき、自身の参考にさせていただきました。

 この知恵で共通しているなと感じたのは、ある種の「潔さ」です。働く人の多くが仕事に対するこだわりを捨てきれないのは自然なことですが、あきらめや割り切りの気持ちも必要です。こだわりだけでは、どうしても前に進めない場面もありからです。

 「こだわり」と「あきらめ」――。このバランスをうまく取るために、人は仕事に対して悩むのではないでしょうか。

三つ子の魂百までは嘘?今風は「5歳までに強い心が決まる」

 「三つ子の魂百まで」って言いますよね。「3歳ごろまでに受けた教育によって形成された性質、性格は、100歳になっても根底は変わらない」という意味です。

 しかし、最新の科学によると、どうやらこの「3歳」というのは嘘で、「5歳」であることが分かってきたようです。

幸せを司る神経細胞

 この話の論拠となるのは、「スピンドルニューロン(spindle neuron)。聖徳大学児童学部の鈴木由美教授によると、スピンドルニューロンは「幸せ」を感じると伸びる神経細胞で、人間のモチベーション向上に大きく貢献する存在だと説明します。つまり、幸福感を司る神経細胞というわけです。

校長先生、企業を救う

校長先生、企業を救う

 スピンドルニューロンは、一度伸びると縮むことはなく、腐ることもありません。これが伸びれば伸びるほど、多幸感が持続しやすい性格になり、やる気に満ち溢れ、想像力豊かで、前向きに考え、我慢強く何ごとにも屈しない強い心が形成されていきます。

 ではなぜ5歳なのか。人間の神経系統は、生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げます。この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていきます。神経系は一度その経路が出来上がるとなかなか消えません。この時期に形成された神経回路が、その後の大きな成長の下地を作っていきます。

 つまり、この限られた期間における80%のうち、どれだけスピンドルニューロンを伸ばすことができるかが、その後の「強い心」を決めるのです。

 「三つ子の魂百まで」は、「性格」を左右する意味で用いられることが多いですが、本当にそうなのでしょうか。例えば、内気な子が一念発起して海外留学し、異国の地でさまざまな国の人たちとコミュニケーションを取りまくったことで、驚くほど社交的な性格に変わったという話はよく聞きます。3歳を過ぎて性格が変わったという話は、枚挙に暇がないでしょう。

 この例で言えば、この「一念発起して海外留学し、やり遂げるパワー」こそ着目すべきです。この子が内気ということはあまり大きな問題ではなく、自分を信じて、チャレンジングな決断をし、最後までやり切る力があったということが、重要なのではないでしょうか。要するに、大切なことは「強い心」があるか否かなので、本来、性格うんぬんではなく、「強い心」の獲得に着眼して考えるべきで、スピンドルニューロンの説に基づき、「五つ子の魂百まで」と考えるべきなのでしょう。

強い心を作る4つの方法

 では、具体的にどうやってスピンドルニューロンが伸ばせばいいのか。具体的にどのような時にスピンドルニューロンが伸びるのかというと、以下の通りです。

(1)美しい風景を見たとき (2)美味しいものを食べたとき (3)「頑張った」という自身の達成感 (4)一生懸命やって人に褒められたとき

 まず、美しい風景。どうでしょう、鈴木教授から詳しい解説はありませんでしたが、子どもが「美しい」と感じるかどうかが重要と思います。であるなら、美術品などではなく、自然にある美しい風景なのでしょうね。

 美味しいものも、「カップラーメンとかでもいいの」という発想もありそうですが、どうなんでしょう。一つ言えるのは、子どもが心から「美味しい…」と感じられるか否かが重要なのでしょうね。この辺の判断は、それぞれの親によるのでしょうね。

 頑張ったという達成感は、子ども自身が納得できるかどうかでしょうね。例えば、「あそこまで頑張って歩こう」とか「ママにプレゼントしよう」などと約束して、それを達成したときなど、効果てきめんなのでしょうね。

 最後の一生懸命やって人に褒められたときは、何でもかんでも褒めるのではなく、頑張ったこと褒めるという意味ですよね。おそらく前述の達成感と同じで、達成感に対してしっかり褒めてあげよう、ということなのですよね。

 褒めるときには注意点もあります。それは、他人と比較するのではなく、「努力の成果が実ったんだね、パパは嬉しいよ」など、本人が頑張ったことに対して、具体的に褒めることが重要です。決して、他人と比べるのではなく。他人との比較は、本人の努力そのものではなく、他人との「差」を褒めるものですから、スピンドルニューロンの伸びは期待できません。

 いかがでしょうか。性格は個性であり、さまざまな個性があって然るべきですが、重要なのは個性を魅力に変える強い心です。昔からの格言も大切ですが、新たな発見に耳を傾ける柔軟性も必要かもしれません。

こころを強くする「夢ノート」 ~トップアスリートが実践するルーティンワーク~

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【祝】厳格化アドセンス審査に一発合格する方法

 やりました!厳格化して落ちる人が続出しているというアドセンスの審査に一発合格しました!何気に長い道のりでした…。

 ということで、これからアドセンスの審査に挑むという方に向けて、ノウハウを全公開させていただきます(2016年10月時点)。

記事本数は25本

 まず、最重要は記事本数ですよね。当初(2016年8月)、ネットを見ていると、記事本数は5本くらいあれば、審査は通るとありました。昔、アメブロでやっていたブログが何本かあったので、これをコピーしてとりあえず審査に出すことにしました。

 すると、グーグルからは不合格の通知が(なので正確に言うと一発合格ではないのですが)。その際の記事本数は30本程度で、2011年から2015年にかけて更新されたものでした。内容はほぼ日記です。

 最初の調査で、記事本数5本くらい、公序良俗に反さない内容、とあったのに「なぜ?」と思い、2016年の情報に限定して再調査してみると、「アドセンス審査厳格化」の情報が大量に出てきました。

 そこであった情報をなんとなくまとめてみると、 (1)記事本数25本以上 (2)記事の文字数は700-1000以上 (3)リンクや画像はしっかり付ける (4)定期的な記事更新 の大きく4つです。こちらを愚直にやっただけですが、その後、一発合格しました。

記事の文字数は700-1000以上

 こちらに関しては、「文字カウンター」を活用しながら、「ああ、まだ600文字だよ…」とかぼやきながら頑張りました。前回の記事まで、ほぼ1000字以上を書きました。一本だけ「超めんどくせ〜」と700文字がありましたが、それでも問題なく合格したので、700文字以上でOKなのでしょう。

リンクや画像はしっかり付ける

 こちらは当初、「画像やリンクは貼らない」とする指摘が多く、超無味乾燥なものとしていました。ところが、「むしろ画像やリンクはしっかり付けるべし」とする情報があり(関連記事『グーグルアドセンスの一次審査!サクッと通過し二次審査に移行する!』)、「普通に考えたら、著作権違反せず、公序良俗に反さない限り、あった方が見やすいし便利だよ」とグーグル先生の「ユーザーファースト」の精神を信じました。なので特に、アイキャッチ画像は全記事に付けておきました。

定期的な記事更新

 これは最初は頑張りました。前半はほぼ、1日1本のペースだったのではないでしょうか。しかし、後半戦は仕事が忙しかったのと朝早く起きれず(深酒のため…)サボってしまい、数日に1本のペースに。最後の2、3本は1週間に1本のペースだったかと思いますが、それでも審査は通りました。1日1本はマストではないようです。

そのほか

 そのほかに気をつけたのは、amazonアソシエイトのアカウントは取得済みでしたが、審査が通るまでは控えました。環境はワードプレスで、テーマは前半は「xeory」を用いて、後半は今の「マテリアル」に変更しました。

 あとは特に気にしなかったかと思います。内容については、当たり障りのない日記がいいとの情報もありましたが、やはりユーザーファーストで考えるとどうかと思うのと、やるなら楽しんでやりたかったので、普通に作品批評やニュース批判などもやりましたが、特に問題ナッシング。公序良俗に反する内容でなければ、何でもいいんでしょうね。

 最後に、上記はあくまで2016年10月時点の情報ですので、その点だけご留意を。それとそうそう、PVがある程度ないと駄目という情報もありましたが、それも嘘。当ブログの悲惨なPVが気になる方は、個別にお問い合わせいただければ幸いです。