大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

三つ子の魂百までは嘘?今風は「5歳までに強い心が決まる」

 「三つ子の魂百まで」って言いますよね。「3歳ごろまでに受けた教育によって形成された性質、性格は、100歳になっても根底は変わらない」という意味です。

 しかし、最新の科学によると、どうやらこの「3歳」というのは嘘で、「5歳」であることが分かってきたようです。

幸せを司る神経細胞

 この話の論拠となるのは、「スピンドルニューロン(spindle neuron)。聖徳大学児童学部の鈴木由美教授によると、スピンドルニューロンは「幸せ」を感じると伸びる神経細胞で、人間のモチベーション向上に大きく貢献する存在だと説明します。つまり、幸福感を司る神経細胞というわけです。

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 スピンドルニューロンは、一度伸びると縮むことはなく、腐ることもありません。これが伸びれば伸びるほど、多幸感が持続しやすい性格になり、やる気に満ち溢れ、想像力豊かで、前向きに考え、我慢強く何ごとにも屈しない強い心が形成されていきます。

 ではなぜ5歳なのか。人間の神経系統は、生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げます。この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていきます。神経系は一度その経路が出来上がるとなかなか消えません。この時期に形成された神経回路が、その後の大きな成長の下地を作っていきます。

 つまり、この限られた期間における80%のうち、どれだけスピンドルニューロンを伸ばすことができるかが、その後の「強い心」を決めるのです。

 「三つ子の魂百まで」は、「性格」を左右する意味で用いられることが多いですが、本当にそうなのでしょうか。例えば、内気な子が一念発起して海外留学し、異国の地でさまざまな国の人たちとコミュニケーションを取りまくったことで、驚くほど社交的な性格に変わったという話はよく聞きます。3歳を過ぎて性格が変わったという話は、枚挙に暇がないでしょう。

 この例で言えば、この「一念発起して海外留学し、やり遂げるパワー」こそ着目すべきです。この子が内気ということはあまり大きな問題ではなく、自分を信じて、チャレンジングな決断をし、最後までやり切る力があったということが、重要なのではないでしょうか。要するに、大切なことは「強い心」があるか否かなので、本来、性格うんぬんではなく、「強い心」の獲得に着眼して考えるべきで、スピンドルニューロンの説に基づき、「五つ子の魂百まで」と考えるべきなのでしょう。

強い心を作る4つの方法

 では、具体的にどうやってスピンドルニューロンが伸ばせばいいのか。具体的にどのような時にスピンドルニューロンが伸びるのかというと、以下の通りです。

(1)美しい風景を見たとき (2)美味しいものを食べたとき (3)「頑張った」という自身の達成感 (4)一生懸命やって人に褒められたとき

 まず、美しい風景。どうでしょう、鈴木教授から詳しい解説はありませんでしたが、子どもが「美しい」と感じるかどうかが重要と思います。であるなら、美術品などではなく、自然にある美しい風景なのでしょうね。

 美味しいものも、「カップラーメンとかでもいいの」という発想もありそうですが、どうなんでしょう。一つ言えるのは、子どもが心から「美味しい…」と感じられるか否かが重要なのでしょうね。この辺の判断は、それぞれの親によるのでしょうね。

 頑張ったという達成感は、子ども自身が納得できるかどうかでしょうね。例えば、「あそこまで頑張って歩こう」とか「ママにプレゼントしよう」などと約束して、それを達成したときなど、効果てきめんなのでしょうね。

 最後の一生懸命やって人に褒められたときは、何でもかんでも褒めるのではなく、頑張ったこと褒めるという意味ですよね。おそらく前述の達成感と同じで、達成感に対してしっかり褒めてあげよう、ということなのですよね。

 褒めるときには注意点もあります。それは、他人と比較するのではなく、「努力の成果が実ったんだね、パパは嬉しいよ」など、本人が頑張ったことに対して、具体的に褒めることが重要です。決して、他人と比べるのではなく。他人との比較は、本人の努力そのものではなく、他人との「差」を褒めるものですから、スピンドルニューロンの伸びは期待できません。

 いかがでしょうか。性格は個性であり、さまざまな個性があって然るべきですが、重要なのは個性を魅力に変える強い心です。昔からの格言も大切ですが、新たな発見に耳を傾ける柔軟性も必要かもしれません。

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