大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

読まれる文章はタイトルと最初の一文がすべて

 せっかく書いた文章。ちゃんと最後まで読んでもらいたいですよね。長年、記者をやってきた経験から、何回かに分けて、自分なりの文章術を整理しつつまとめていきたいと思います。

 まず、読まれる文章のすべては、タイトルとそれを決める最初の一文がすべてです。これは記者時代の経験に基づいています。

読む価値がない記事

 駆け出しの記者だった当時、まだ数えられるほどしか取材した経験がなく、毎回、「用意した質問事項は全部聞けたけど、どう記事をまとめたらいいか分からない」などと、取材に行く度に悩んでいました。

 そんな当時の取材の帰り道、どう記事をまとめていいか分からず途方にくれていると、先輩のおじさん記者にこう言われました。「取材が終わった段階、あるいは取材している最中に見出しが決まらないような記事は、読む価値がない」

何を伝えるか一言で

 新人記者にありがちな記事作成は、取材ノートをみて悩みながら文章を書き始め、文章が書き上がってから見出しを付けるやり方です。それでよく上司に言われるのが、「こんな見出しじゃダメだ」の一言。上司に「この記事のポイントは何だ」など怒られながら何度も見出しを書き直し、ようやく見出しを決めた挙句、本文と全く整合性が取れなくなり、結局、一から本文を書き直す、という悲しみのパターンです。

 文章、特に記事の場合、限られた分量の中で伝えられることは限られます。なので最初に何を伝えるのかを明確に決めておかないと、論点が定まらなかったり、関係のない話題が入り込んできてしまいます。そもそもの内容やキャッチーな見出しが付けられるかどうかというセンスも大切ですが、最初に何を伝えるか絞り込み、それを一言で言うとどういうことなのか(見出し=タイトル)をまとめることが、誰にでもできる最も重要なテクニックです。記事が読まれるかどうかの8割以上は、見出しにかかっており、そのことを記者たちの間では「見出しが立つ」と呼んでいます。

リードは続きを読むかの判断材料

 見出しさえ立てば、次にやるのは最初の一文の作成です。この一文は「リード」と呼ばれ、見出しと内容が完全に一致していることが原則です。見出しのキーワードが出てこないリードは、最後まで読まれず、結局、リード後の記事本文は読まれません。つまり、リードの役割は、その後の記事を読むか否かを判断するためのもので、見出しを見て「おっ!」と思った人に対して、「うむうむ、ざっくりとそういうことなのか、よし、では詳細を見てみよう」とさせられるかどうかにかかっているのです。

 例えば、この文章。伝えたいこと(見出し)は、「読まれる文章で最も重要なことは見出しとリード」ですよね。なので、リードではこの「読まれる文章」と「見出しとリード」がもれなくはいっており、「続きを読もう」と思わせるざっくり解説が必要になります。そこで、見出しを文章でざっくり説明しつつ、「なぜ見出しとリードなのか」を「記者の経験に基づく」という理由を入れ込むことで、「読まれる文章のプロの意見なら詳細を読んでみたい」と思わせるわけです。

 こうして見出しとリードさえ決まれば、あとは記者時代に見出しとリードが重要であると分かったエピソード、見出しの付け方、リードの書き方を説明すれば、記事のできあがりです。

 見出しやリードのもっと細かい決め方や、リード後の効果的な文章の書き方などについても、もう少し書いておきたいことがあるのですが、それについてはまた改めて説明させていただきますね。

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