大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

なぜ妻たちは子どもを怒りすぎるのか、郵便局員は見た

 職業柄、郵便局の配達員は、ある家庭の見てはならない一場面を見てしまうこともあるようです。特に遭遇してしまうことが多いのは、お互いに酷い言葉で罵倒し合う親子のようです。

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 その配達員は、とあるパパ友。ある日、一緒に電車で出かけることになり、うちの息子とこのパパ友の息子が車内でギャーギャー騒ぎ出し、とうとう喧嘩を始めました。それを見ていた妻たちが当然のようにブチ切れ、仲裁に入ろうとしたものの、二人そろって「お前たちは余計な口はさむな!」と目で訴えられ、追いやられる始末。「やれやれ」と互いに引き下がり、車内の白い目を背に座席に座り込むと、このパパ友は語り出しました。

 「正直、げんなりするんだよね、疲れて帰ってきて、二人とも機嫌が悪く、一緒に過ごす時間のおそらく9割は、2人の喧嘩を見ることになるんだから」

 うちも似たようなもんだなと思い、そう伝えると、さらに続きました。

 「そうなんだよね。まあ、正直、うちはいい方なのかなと思う。職業柄、母親と子どもの喧嘩の最中に遭遇すること、よくあるんだよね。この前見ちゃったのは、おそらく小学生低学年なんだろうな。チャイムを鳴らそうと扉の前にくると、『てめえ、ぶっ殺すぞ!』『やれるもんならやってみろクソババア!!』って、まあすごいわけよ。いつまで経っても終わる気配がないし、仕方なくその最中にチャイムを鳴らすと、妹なのかな、申し訳なさそうな顔して扉を開けてくれるわけ。見ちゃいけないと思ってはいたんだけれど、案の定、部屋の中はひっちゃかめっちゃか。そういう場面、珍しくないんだよね」

 ニュースで子どもが虐待を受けて親に殺されたとか、よく見かけますよね。そういうのを対岸の火事と他人事のように見ているけれど、このパパ友は、とてもそうは思えないようです。仕事で「これ以上いったら、結構まずいよな…」という場面をよく目にする一方、そこまではいかなくとも、自身の家庭でもそのレベルに行くかもしれないと危ぶまれる場面は、日常に潜んでいるわけですからです。そのことは、わたしも同感。絶対に、対岸の火事なんかではありません。

 その上でこのパパ友と呟いたのは、「どうして、そこまで妻たちは、子どもを怒るのかな…」。ただ、その呟きのすぐ後にお互いに思ったのは、今目の前でぐずっている子どもたちと、それに真剣に向き合う妻たち。「答えは明確だよな」とお互いに思い、現場に向かった二人ですが、やることなすこと、妻たちの要望にマッチしなかったようで、またしても「お前たちは余計な口はさむな!」と目で訴えられ、追いやられる始末。

 疲れ果てて帰路につき、息子も寝て、妻と一緒にテレビを見ていると、面白い話を見かけました。「仕事と家庭、どっちが大事なの?」との妻の言葉に、夫はどう返すべきか。この番組では、「もちろん、家庭だよ。ただ、仕事もとても大事なんだ。そんな風に思ってしまう俺、駄目かな」と返すことが正解で、そうすることで、妻も「駄目じゃないけど…」とキュンキュンきて、許しちゃうとのことです。

 テレビに全身全霊をかけたかかと落としをしたい気持ちの一方、「そうなのね」と納得しなければならないのかと思う気持ちの半々を得て、そのどちらが正しいのかはさておき、「やはり我々に求められているのは、家庭における良質なサンドバッグであることだ」との確信を深めました。父親として認められることよりも、まずは良い音を鳴らすサンドバッグであること、これ、重要ですよね。

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