大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

「はじめまして、愛しています。」が残念だった、たった一つの理由

 個人的に大ヒットな予感のドラマだっただけに、残念です。毎回、楽しみにしていて、面白くはあったのですが、たった一つの理由で「うーむ」という感じで最終回を見終えました。

「『運命』とは、命を運ぶこと」

 そのドラマは、「はじめまして、愛しています。」。眠れず録りためていた「グッドパートナー」というドラマを見ていて、次回最終回ということなので新番組の番宣をたまたま目にしたのが、きっかけです。

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 おそらく「江口洋介ならいい演技するだろう」くらいの謎の「上から目線」と、ドデカく「脚本:遊川和彦」とあったのが、「どこかで聞いた脚本家だな」との思いと、「えらくド派手に脚本家をPRするな」と疑問に思い検索すると、「『女王の教室』の人だ!」との発見で一気に興味が湧き、ネットで調べまくり、「親子試写会」にも申し込んじゃいました!

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 半年の限られた期間で、親子でない親子の「親子になろうとする物語」という設定と、「特別養子縁組」という実際の制度をベースにした物語ということで、「親子とは何か」という難しいテーマに、「女王の教室」や「家政婦のミタ」の脚本家が、どのような問いかけをするかが、気になって仕方なかったのです。

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 その際、テレ朝のPRページを見て特に気になったのは、プロデューサーの山田兼司氏が強調する「『運命』とは、命を運ぶこと」というキャッチフレーズです。「確かに!」という言葉の組み合わせへの気付きと、「親子になろうとする物語」にこのキャッチフレーズをどう絡ませるのか、親子なのになかなか親子になれない立場の人間として、これまた気になって期待感が益々高まりました。

「愛してます」が増える世界は素敵

 さらにさらに、脚本家の遊川氏の「『はじめまして』と出会った人に、『愛しています』と伝えるまでが人生でしょ。知らない奴はみんな死んでしまえという風潮より、『愛しています』と言える人が増えれば、この世界は素敵ですよね」というコメントも気になり、テンションはMAXに達しました。

 「愛」については、「幸せになる勇気」を読んで付け焼き刃ながら、「愛していると好きの違いは何?」という長年の疑問へようやく納得のいく回答をもらえた気がしました。それは、超簡潔に言うと「わたしの課題」「あなたの課題」としか乗り越えるべき課題を考えられなかった段階から、「わたしたちの課題」と考えられる段階への移行を意味してると、解釈しています。

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 「愛」について納得のいく回答は得ていた気はしているのですが、恥ずかしながら「親子なのになかなか親子になれない現状」にある人間ですので、やはり実績のある脚本家が、「愛」についてどのような見解を示すのか、蓮舫さんの国籍なんかよりも気になって気になって仕方がなかったのです。

なぜ、養子なの?

 ということで、なんと当選した試写会。グズリまくる息子を無理やり連れて会場入りするという、「試写会くる前にその息子を何とかしろ」という会場の熱い期待を背に、第一話を拝見させていただいたのですが、どうしても消えない疑問が残りました。それは、「なぜ子どもが産めるのに、養子なの?」という疑問です。

 これまで産まなかった理由はドラマの中で語られるのですが、この「なぜ養子なのか?」への明確な回答がないまま、ドラマは進行していきました。「そんなつまらないことを…」と思われるかもしれませんが、ご指摘の通りわたしはつまらない人間でして、息子の育児を通じていつも思うのは、「自分の子供だからかわいい」「正直、自分の子供しかかわいくない」ということです。何人かのパパ友も、同じこと言っていた記憶もあることから、こう考えている人は、意外と多いのではないでしょうか?

 このドラマは特別養子縁組が重要な設定なのですから、赤の他人同士が親子になろうとすることを決断した納得できる理由がない限り、いくら感動的なシーンがあったとしても、どうしても不自然に感じてしまうのです。また、この赤の他人がどう「他人」を乗り越えて、血はつながっていなくても、本当の親子になっていこうとするのか、その下りにものすごく興味があった、ということもあります。

 にもかかわらず、第一話であっさりと本当の親子になる決意を固めてしまった江口さんと奥さん。なので、2回目以降、「いいシーンだな〜、だがしかし!」となってしまった、というわけです。

 とはいえ、さすが人気脚本家。まとめ方と見せ方がうまい!メッセージ性の高い内容と江口先生の熱演も加わり、毎回、涙腺が緩みました。いい感じの涙腺で最終回を見終えて頭に浮かんだのは、昔読んでいた週刊漫画雑誌でたまに見かけた「遊川先生の次回作にご期待下さい!」のフレーズ。個人的には、「メカ女王vsキング家政婦」のようなタイトルなら、息子のストライクゾーンですし、また親子試写会に申し込ませていただきたいと思います。

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