新しくないのに新しい超新鮮で感動的な恋愛物語「君の名は。」
超メガヒット中の恋愛アニメ「君の名は。」。「こりゃ見るっきゃナイト!」ということで、ビジュアル的にあまりよろしくないのですが、中年おっさん3人でキャッキャしつつ逝ってきました。
結果、これも通報されてもおかしくないレベルなのですが、おっさんたち大号泣。「会いたい」「好きだ」という恋愛の本質的な魅力をダイレクトに感じる、本当に素晴らしい作品だったので、致し方ないということでご容赦を。
新しくないのに新しさを感じる設定や着想、丁寧に編み込まれる神秘的な日本の逸話などによって、SFでもあり、サスペンスでもあり、ファンタジーでもあるという、全く新しい(かどうかは個人的な感想なので分かりませんが…)超新鮮で感動的な恋愛物語が誕生したという印象です。
- 作者: 新海誠,東宝,コミックス・ウェーブ・フィルム,角川書店
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/08/27
- メディア: 単行本
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あらすじ
田舎町の女子高校生、三葉(みつは)。町長の娘として、神社の跡取りとして、田舎町の生活に閉塞感を感じていたある日、「異変」が起ります。ずっと憧れていた東京で、自分が男子高校生になっていたのです。一方のこの男子高校生、瀧(たき)にも同じように「異変」は起こり、三葉になっていました。
この異変について、2人は当初、夢だと思っていました。夢のように覚めて、必ず元の自分に戻るからです。しかし、周囲の友人たちから「昨日は別人のようだった」などと聞かされ、互いにこの異変が起こる度に、メモを残すようになります。そうして2人は、自分たちが定期的に入れ替わっていることを知ります。
そんなある日、瀧は目覚めると、あこがれのバイト先の先輩とデートの約束をしていたことに驚きます。入れ替わっていた三葉の仕業です。戸惑いと喜びでデートに行く瀧ですが、会話が続かず、デートは失敗。帰り際、先輩からこんな指摘を受けます。
「他に好きな人がいるんじゃない?」
先輩の指摘で、いつの間にか三葉へ想いを寄せていたことに気付いた瀧は、思い切って三葉に初めての電話をします。しかし、何度かけても電話は繋がらず、しかも、入れ替わりがその後、途絶えてしまいます。居ても立ってもいられなくなった瀧は、三葉に入れ替わっていたときの町の風景を頼りに、三葉を探す旅に出ることを決意します。
しかし、その旅で瀧を待ち受けていたのは、思いもよらなかった衝撃の事実だったのです。
軸ぶれない刷新
ネタバレになるため、衝撃の事実については本編を観ていただくとして、個人的な感想としては、「よくこんなすごい脚本書けたな…」という印象です。物語書くプロの人が嫉妬するのは、超理解できます。誰とは言いませんが…。
この物語冒頭の男女入れ替わり。まあ、映画やアニメでよくある設定ですよね。ただ、この後に続く衝撃の事実でも共通しているのですが、新しくはないんですが、新しいんですよね。
よくあるのが、同じクラスの誰々さんとの入れ替わり、みたいな知っている人同士の入れ替わり。「君の名は。」は、全く知らない人同士の入れ替わりなんですよね。そして最大の違いというか新しいところは、よくある「入れ替わり」を軸に日常の変化や事件が発生するという話ではなく、その先の衝撃の事実に繋がっていくというところではないでしょうか。
そのほかの新しいところは、衝撃の事実の部分にかかわるので触れませんが、共通しているのは、設定は新しくないのですが、アレンジや視点の切り替えなどによって、あたかも新しいものにしてしまっているところです。それが小手先のものだったり、単なるマニアなものではなく、物語の軸の軸である「恋愛」にしっかりと結びつく必要な刷新であるため、この物語にある多くの恋愛風景が、新鮮に感じられます。
神秘的な日本の逸話も、単なる「へー」な知識に終わることなく、すべてしっかりと軸の軸に帰結する伏線となっていることも素晴らしいです。特に印象深かったのが、口噛み酒(巫女がご飯を口で噛んで液状にしたものを発行させたお酒)と黄昏時(日が完全に沈む前のほんの一瞬、現世とあの世の区別がぼんやりする時のこと)という言葉ですかね。これらも新しくはないんでしょうが、こうした恋愛物語で、唐突ではなく、効果的に使われることは、やはり新しいことなのではないでしょうか。
興行収入が邦画歴代5位に
ということで、こうした新しくはないが新しいさまざまな要素が丁寧に編み込まれることにより、今までに誰も見たことのない恋愛物語となった「君の名は。」。なんと、興行収入は145億円とのこと(参考記事『興収145億円突破「君の名は。」 公開前の見積もりは15億円』)。ちょっとピンとこないかもですが、当初予想の10倍、あの「アナ雪」を上回る勢いで100億円を突破したそうです。※その後、さらに売り上げを伸ばして邦画歴代5位とのこと(参考記事『アニメ「君の名は。」、興行収入が邦画歴代5位に、東宝「164億円超す」』)※2016年10月27日追記。
日本を代表する作品になりそうなので、まだの方は是非、映画館へ。ただし、とても爽やかな作品なので、おっさんはおっさん同士でいかないように。まあ、作った人も全開でおっさんなのですが(作った人「新海誠」)。
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「誰かのせい」は不幸への特急券、「自分を変えよ」と説く『嫌われる勇気』
面倒が起きると、犯人探しをしてしまいがちです。それで「自分は悪くない」と確認できたら、憤慨したり、責任追及したりしたくなるのが人情ですよね。
ただ、それが家族や職場の同僚の間で起きたことだと、面倒の解決に至らなかったり、解決しても関係にしこりが残るなど、問題解決や今後のコミュニケーションの観点からあまり望ましくありません。どうすればいいのでしょうか。
「偽りの自分」が不幸の始まり
ベストセラーでアドラー心理学を解説した『嫌われる勇気』によると、「すべての悩みは人間関係の悩み」といいます。アドラー心理学で上記のような面倒の解決を考えると、どうなるでしょうか。
- 作者: 岸見一郎,古賀史健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/12/13
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そもそも、なぜ『嫌われる勇気』ですべての悩みは人間関係の悩みと断言しているかというと、ほかの人と自分を比べ、勝ち負けを意識することが、人が不幸に陥る出発点だと考えているからです。もしも人と比べて自分が劣っていると感じた場合、そうした劣等感があることをほかの人に知られて負けを認めたくないので、偽物の自分を演じるようになります。
偽物の自分は、そもそも偽物ですから、そんな自分を心から好きになれません。しかも、偽物だからあらゆる側面でボロが出ます。偽物を守るため、また偽物の自分を重ねて、やがて自分が分からなくなり、幸せを感じられず、存在意義を見いだせなくなってしまいます。
偽物の自分ではなく、自分の生き方を貫くためには、「嫌われる勇気」が必要です。つまり、ほかの人の評価を気にかけたり、期待にこたえたりすることに、自分の大切な時間のほとんどを割くようなことはしないということです。本当に自分が必要だと思うことを、自分の頭で考え、自分で選び、人に何と言われても、自分らしく自由に生きることを貫く勇気こそが、「嫌われる勇気」と解釈します。
他人の課題に介入するな
それを実現するための一つの方法が、「課題の切り分け」です。本当の自分を失い、偽物の自分を作ってしまいそうになるような対人関係の悩みに直面したら、まず「それは誰の課題なのか」を考えてみましょう。そして、自分とほかの人を良い意味で切りはなすのです。ほかの人の課題を抱え込まず、自分は自分の課題だけを解決していきましょう。
例えば、子どもが全く言うことを聞かず、「また人前で悪戯をして恥をかいた!」と憤慨し、怒りすぎたり、「うちの子は駄目な子だ」と落胆したりするなどして、自己嫌悪や絶望感に陥ることもあるのではないでしょうか。
これをアドラー心理学的に考えると、悪戯をするかしないかは子どもの課題であり、恥をかいたと感じるのは親の課題です。これを一緒くたに考え、課題を分けずに考えると、子どもをコントロールしようと、コントロールできないことへの怒りへと発展していきます。
人は他人を変えることはできませんし、すべきではないというのがアドラー心理学の立場だと、『嫌われる勇気』では解説します。誰もが自分の課題は、自分の課題として考え、選び取っていくべきだからです。確かに、子どもはすべてのことを自分で判断することはできないので、生死にかかわる問題や、暴力、窃盗などの犯罪行為以外は、それがたとえ間違った選択であったとしても、本人に選ばせ、苦い経験をさせ、次からはそうした判断をしないよう成長を促すことを推奨しています。
理論としては分かりますが、世のパパママの腑に落ちないことは、分かります。しかし、少なくとも叱りすぎたり、「どうしてうちの子は駄目な子なのか」と考えた時点で、すべての問題を「子どものせい」にし、他人の課題に介入しています。
これはアドラー心理学で考えると、不幸への特急券であり、そこから逃れるためには、他人の課題に介入せず、自分の課題を解決し、自分で変えられるところを、自分の意志で変えていく以外にありません。たとえば、「子育て中に恥をかくことは当然」と開き直り、他人の目を気にしない、あるいは恥をかく可能性の高いところには最初から出入りしないようにするなどです。
アドラー心理学を、子育ての参考にするのは、なかなか難しいことかもしれません。ただ、課題の切り分けをせず、子どもをコントロールしようとし、それができないときに「お前が悪いんだ」と口にしたり、態度で示してしまうことは、どう考えても良いことのようには思えません。もし、全くの対岸の火事とは思えない方がいたら、アドラー心理学の考え方を少しでも参考にすると、自分にとっても、子どもにとっても、幸せへの近道かもしれません。
- 作者: アルフレッドアドラー,Alfred Adler,桜田直美
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- 発売日: 2016/09/23
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子育てに正解はある、統計学は最強の学問?
「子育てに正解はない」とよく聞きますが、もし正解があるとしたらどう思いますか?
ここ最近、統計学に興味を持ち始めて入門書などを読んでいるのですが、どうやら統計学の世界では、正解のある子育て方法が確立しつつあるようです。
統計学が最強の学問である
超いまさらながら、ベストセラー『統計学が最強の学問である』(著者:西内啓、出版:ダイヤモンド社)を読みました。データ活用を軸にした経営コンサルティング会社の広報という立場にあることから、さすがに統計学について全く何も知らないというのはまずいよなと思い、本書を手にしました。全く統計学を知らない人でも相当に分かりやすく、楽しく読める内容になっていると感じました。
- 作者: 西内啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/24
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本書によると、統計学のベースになっているのは疫学のようです。疫学は、19世紀に「ジョン・スノウ」という学者が広めた手法で、これによりコレラの感染者を激減させたようです。コレラの流行は水道水によるものだったとのことです。
その原因追求のやり方は、現場への調査をまず行います。調査ではさまざまなデータを収集し、そのデータを分析。その上で、原因となっていそうなデータに迫っていくのが、疫学的なアプローチとなります。コレラの場合では、あるA水道水とB水道水のデータに着目。すると、A水道水を利用する家族の感染率が、B水道水を利用する家族の感染率よりも圧倒的に高いことが分かりました。
このように、疫学とは「データが語る、ある可能性」を突き止める手法です。その可能性の確度は分析結果によって変わってきますが、コレラのように、データに明らかな「異変」があれば、「A水道水の利用を禁止すべき、以上!」というようなシンプルですが重要な意思決定をするのに大きく役立ちます。
落ちこぼれゼロ法
こうしたデータは、科学的根拠「エビデンス」と言われ、医学の世界では重要な考え方として広まっています。医学は人の命を左右する意思決定にあふれた分野です。患者として医学のお世話になる可能性がある立場としては、是非ともエビデンスに基づいた治療をしていただきたいと思います。
さらに本書によると、教育の分野でもエビデンスが重視されているとのことです。米国では「落ちこぼれゼロ法」という法律があり、この中で「エビデンスのある研究結果を考慮しなければならない」など、「エビデンス」を含む言い回しが計100回以上も登場するようです。さらに「落ちこぼれゼロ法」に基づいて、エビデンスのある実証研究の結果を片っ端から整理し、これをインターネット上に公開。米国の「教育の質向上」に寄与することを目指しているとのことでした。
子を持つ親として、こういう視点での提案は非常に興味があります。残念ながら英語が分からないので、教育に関してどのようなエビデンスが公開されているのか確認するまでには至っていません。おそらく、日本にもこうしたエビデンスの公開や言及している書籍などはありそうなので、近く、まとめてご紹介させていただければと思います。
- 作者: 中室牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
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プレゼンの苦手意識を乗り越えるため最初に読みたい良書5選
話しても伝わらないことが多い方です。特に、会議の発表の場とか、イベントなどのスピーチとか最悪です。「何言ってるか分からない」みたいな顔されたり、頭の中が真っ白になること、結構あります。若い頃は、そういう機会が少なかったのですが、中年になり、管理職になり、そういう機会がかなり増え、正直、困っています。
ということで、プレゼン対策の本をいくつか読み、最近では、うまくはないけれど、まあそれなりに伝わるようになってきました。そんなこんなで自分的に良書と思われるプレゼン関連本をご紹介。
入門編
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
プレゼンをする際にまず重要なことは、説得力のある資料作成。プレゼンする内容のベースがツッコミどころ満載では、話になりませんからね。
本書は、人を納得させる論理構成、その論理構成を補強する調査方法や論理の矛盾のチェック方法など、着想からプレゼンまでの過程が、タイトルに偽りなく「世界一やさしい」平易な文章で分かりやすく、高度な内容を噛み砕いて解説してくれます。
本書を読むことで、課題の発見から対策提案までの一連の流れについて、大まかに最短で把握することが可能なのではないでしょうか。しかも、漫画のような平易な内容で1、2時間で読み切れます。
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
- 作者: 渡辺健介,matsu(マツモト ナオコ)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/06/28
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ノヤン先生のマーケティング学
プレゼン資料の作成について、おおまかなポイントを抑えることができたら、実際に「誰に対して、どのような提案が有効か」という視点が必要なのではないでしょうか。この際、基本だけでも抑えておきたいのは、マーケティングの視点です。マーケティングの視点がなければ、せっかくの着想が理解されない可能性が高まります。
そこで最低限、把握しておきたいマーケティングの知識としての良書がこちら。マーケティングに詳しい老ふくろうのノヤン先生が、独特の語り口で丁寧に分かりやすく、マーケティングの基礎や歴史について解説してくれます。マーケティングに詳しい方にとっては基本的すぎる内容かもしれないが、全くのマーケティング初心者だった自分には、かなり素晴らしい内容でした。「基本こそ何より重要」と感じさせてくれる迫力があります。
- 作者: 庭山一郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/04/23
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「分かりやすい話し方」の技術―言いたいことを相手に確実に伝える15の方法
「誰に何を」というマーケティングの視点で、ロジカルに整理したつもりであっても、話してみると人に伝わらないということは、よくあることではないでしょうか。資料を読むのと、プレゼンを聞くのとでは、伝わり方が異なるためです。資料は自分のペースで理解できるまで読み込もうとしてもらえるかもしれませんが、プレゼンでは聞いている人が何か気になることがあっても、そのままプレゼンは進んでいってしまったり、整理された情報であっても、情報量が多すぎて理解が追いつかないこともあります。
こうしたらプレゼンの場面で特有の問題について、医師の論理性とNHKアナウンサーの経験にもとづき、分かりやすくその注意点と対策を説明してくれるのが本書です。特に、「矢印メモ」という考え方が秀逸。論理の飛躍や冗長さなどの課題について、事前に「矢印」でチェックし、その内容について修正するという手法で、とても使えます。
「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール (ブルーバックス)
- 作者: 藤沢晃治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/10/23
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初級編
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル
自身のプレゼンに問題ありと感じた際、初めて手にとったのが本書。実は、以前働いていた会社の先輩から「この本を貸してあげるから、ちょっと勉強したら」と言われて手に取ったのがこちら。当初、「なんて失礼な…」と思いましたが、いわゆる「マッキンゼー式思考方法」というのを理解する上での分かりやすさとそれなりの内容が盛り込まれているというところで、本書は素晴らしい良書かと思います。
本書は、話の重複や漏れやズレをなくす技術である「MECE(ミッシー)」と、話の飛びをなくす技術「So What?/Why So?」を身につけることを最大のミッションにした内容となります。いずれもロジカルシンキングに興味を持ち始めれば避けては通れない考え方かと思いますが、本書を一読すると「これほど深いものだったのか…」と感じる人も多いのでは。
- 作者: 照屋華子,岡田恵子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2001/04/01
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スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン
いくつもの伝説的なプレゼンをしてきたスティーブ・ジョブズ。本書では、プレゼンでジョブズが発した名言や魅力的なスライド、演出の数々を紹介しつつ、そのポイントを解説していきます。
本書を見ると、ジョブズのプレゼンがいかに本質を突き、それを深掘りして考えるかに注力しているかが分かります。中でも「一番大切な問いに答える」という箇所は、心から同意するところです。どんなにロジカルでマーケティングの観点に立っていたとしても、聞く人にとっての一番大切な問いに答えられるかどうかは、最も重要なことでしょう。
そのためには、単に聞く人の意見に耳を傾けるだけではなく、聞く人の潜在的な疑問や課題にたどり着き、時代背景や技術動向にアンテナを張り巡らせ、今のその場における最良の回答を導き出す必要があります。ジョブズはこの能力に長けていたのでしょうね。本書は素晴らしいとは思いますが、ちょっとまだまだこの領域には足を踏み込んでさえいないという感触です。
まだまだプレゼンはダメダメなので、上記については「プレゼン力の向上」を目指している方には生ぬるいかもしれません。ただ、同じく「プレゼンは苦手」という方にとっては、現状を打破するいい取っ掛かりになるかもしれません。
- 作者: カーマイン・ガロ,外村仁解説,井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2010/07/15
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愚直な信念の強さを実感、『スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法』
息子の教育に、現時点でそこまでこだわりはないのですが、『スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法』(アグネス・チャン著)が目に止まり、読みました。海外の一流大入学のハウツー本ではなく、グローバル社会を生き抜く人間に必要な要素が、豊富な著者の実例とともにまとめてありました。
- 作者: アグネス・チャン
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/03/07
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本質に最短で辿り着き、やりきるパワー
息子は昨日、4歳になったばかり。勉強うんぬんを語るレベルではなく、何よりちゃんとご飯を食べる、着替える、早く寝るなど、最小の社会で生きていくために必要な最低限のことができるようなってもらいたいと願うことが何よりの優先事項です。
その一方、グーグルの創業者など、勉強というか、起業家や世界を驚かす技術を生み出す場所として、昔から同大には興味がありました。さらに、ここ最近知り合った知人でスタンフォード大の出身者が多く、彼らと会話をしていると(もちろん日本語で…)、何というか頭がずば抜けていいとかではなく、「何事においても基本的なところをしっかりと押さえていて、まずやるべきことを力技でやりきってしまう能力に長けている」という、全く短くまとめきれていませんが、そんな感じなのです。
こういう、本質に最短で辿り着き、やりきってしまうパワーは、是非とも息子に身につけてもらいたいですし、何より、自分が学びたい…。ということで、本書にそういうヒントが書いてあるのかなという淡い期待を持って、購読しました。
自分が変われば世界は変わる
アグネス、ネットで変な形で有名になってしまっている印象ですが、基本は教育学者と認識しています。よく、学校の先生が子育てに失敗した、みたいな残念な事象を耳にすることはあります。スタンフォード大に3人の息子を入れたことが子育て成功と決めつけることはどうかと思いますが、アグネスは少なくとも机上の空論や残念な事象とは異なる、真っ当な教育学者なのではないかと、個人的には思います。
アグネスの教育方針の根底にあるのは、「自分が変われば世界は変わる」との理性的なポジティブさと感じました。
例えば、息子の“抱っこ攻撃”に「ダイエットにもなり一石二鳥、短い幼児期を楽しもう!」と自身の発想を転換し、いくら疲れていても抱っこを一切拒まなかったり、嫌いな先生が担任になった時は「先生のいいところだけを見よう、勉強に集中できるいい機会だよ!」と息子に言い聞かせたりしました。アグネスの教育の至るところに散りばめられた「自分を信じる」「自分が変える」というメッセージは、息子たちをスタンフォード大に導く最大の原動力だったように感じます。
よく考えると、知人のスタンフォード大出身者らは、ある意味、「何を根拠に…」と思えてしまうくらい、愚直なまでに自分を信じ続けているように思えます。その根拠がよく分かりませんでしたが(アメリカ人だから?)、本書の読了後、それは親からの確かな愛なのだなと、自分と息子の誕生日に、ディズニーランドで全力投球の奉仕をしながらこちらのエントリーを書きつつ、そんなことを思う次第です。なお、息子の肩車攻撃を拒否せずすべて受け入れてしまったため、明日は深刻な筋肉痛に見舞われることが確実の惨状であることを、追記致します。
スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール
- 作者: ケリー・マクゴニガル,泉恵理子
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2016/10/06
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やはり世界を動かすのは当事者意識、映画『64(ロクヨン)前編』に感動
いまさらながら、警察の広報官と記者クラブの対立を描いた映画『64(ロクヨン)前編』を観たというお話です。この話をすると、知り合いには「出た出た、当事者意識ですか(笑)」とクスクスされちゃうのですが、改めて「やはり世界を動かすのは当事者意識だな」と感じました。
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ノーカット10分のクライマックスに圧巻
64は、リアルな警察ドラマを描かせたらこの人の右に出る人はいないという、元警察担当の記者である横山秀夫(wikipediaはこちら)が原作。物語自体は、昭和天皇崩御で平成に元号が変わるニュースに埋もれた中で、未解決のままになってしまった昭和64年に起きた誘拐事件を軸に進みます。その誘拐事件を担当した元刑事である主人公が、不本意ながらも広報官となり、64の事件に関係した人たちとの交流や上司と記者との板挟みの中で、広報官として成長していく物語を描きました。
警察にとって都合の悪い情報を隠蔽したい警察上層部と、情報開示を迫る記者たちの間に挟まれて悪戦苦闘する広報官。板挟みの末、「広報官」としてではなく、「個人」として記者たちと最後の対話に臨むクライマックスシーンが、この物語の最大の見どころです。この10分程度のクライマックスシーンをノーカットで演じ抜いた佐藤浩市の鬼気迫る演技もあり、一人ひとりの心に響く声は、やはり同じ一人の「個人」から発せられるものなのだなと、改めて感じました。
その言動、「個人」で考え抜いた結果か
「組織」に属していると、「組織の損得ではどうか」「最終的には組織が助けてくれるはず」などと無意識に考えて、当事者である「個人」として思考停止状態の言動を取ることもあると、我が身を振り返って反省します。「当事者意識」といつも意識しつつも、そう思えてしまう状況であるのが現実です。
願わくは、いくら素晴らしい理想や理念を抱く「組織」に属していても、「その言動は一人の個人として考え抜いた結果なのかどうか」を、常に自問自答できる「個人」でありたいものです。早く後編観に行きたいなぁ〜
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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【カロリーゼロ】絶対に痩せるゼリー、ベスト5
絶対に痩せたいと本気で考えているのなら、成功率の高い効果的なダイエットを行うことです。中でも、続ければすぐにでも成果が出る「一日一食ダイエット」を強力にサポートする低カロリー食品の活用は、有効です。
- 作者: 船瀬俊介
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2015/03/16
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そこで今回は、低カロリー食品の中でも特に使いやすいカロリーゼロのゼリーについて、個人的なベスト5をご紹介していきたいと思います。
カロリーゼロは「ゼロ」じゃない?
ところで、ベスト5のご紹介の前に、「本当にカロリーゼロなの?」「いくら食べても大丈夫なの?」という疑問はあるかと思います。
まず、本当にカロリーゼロかどうかですが、結論から言うと、カロリーゼロではありません。ウィキペディア先生によると、日本の法制度上、「カロリーゼロ」などの表現は、食品100グラムあるいは飲料100ミリリットルに対して、糖類が0.5グラム未満であることを意味しているそうです(参考ページ『シュガーレス』)。つまり、100グラムあたり5キロカロリー未満は、「カロリーゼロ」と表記されているわけですね。
「まじかよ…」と思うかもしれませんが、200グラム食べても10キロカロリーですよ。先日、別記事でも触れましたが、一日一食(夕食)をたらふく食べて、ストレスのないダイエットを推進するには、夕食までを200キロカロリー以内で抑えればいいわけです。つまり、200グラムのゼリーなら、20個食べても大丈夫なわけです。
とうことで、カロリーゼロは超低カロリーの食品や飲料と考えて、「カロリーゼロじゃないのかよ…」とか細かいことにこだわらず、有効活用していきましょう。
200キロカロリーの範囲内でどうぞ
上記の通りですので、1日20個までということで活用していきましょう。とはいえ、そんなには食べないですよね。。経験上、おそらく5個がマックスですし、それで十分、満足感は得られますよ。
それではベスト5をご紹介させていただきます。
【第五位】ゼロカロリーフルーツゼリー(ASフーズ)
こちらは美味しいのですが、一個一個が小さくめんどくさいということでこの順位になります。逆に、一個一個、たくさんの味を楽しみたいという方には、おすすめです。
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【第四位】食後の0kcal(ブルボン)
こちらは100円ショップなどでよく見かけます。味もいい感じなのですが、ちょっと一個あたりの量が少ないのですよね。ということでこの順位ですが、100円で手に入りリーズナブルなのと、食べてみてこの量で問題ないという方には、おすすめです。
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【第三位】ゼリーdeゼロ(マルハニチロ)
こちらは個人的には一番食べています。というのは、職場近くのスーパーで100円で売られているので、食べる機会が多いというのが最大の理由ではあります。ただし、ボリュームもたっぷり、味もよく、とてもいい感じです。おそらく、マンゴー味は誰でも好きかと思いますが、メロンは苦手な人もいるかもです。
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【第二位】カロリコカロリカ(たらみ)
こちらは自宅で仕事の時に愛用しています。味は、ゼリーdeゼロよりも良いです。ちなみに味はぶどう味しかないですが、とてもいい味です。ただ、150円くらいなので、ちょっと高いです。そのため、食べている量としてはゼリーdeゼロよりも少ないですが、「100円も150も同じじゃん!」という人にはおすすめですね。
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【第一位】濃い0kcal(たらみ)
最後にこちら。価格は200円弱とお高めなのですが(ローソンやファミマなどのコンビニだからかもですが)、圧倒的に美味しいです!一日5個食べたときは、マンゴー味、グレープフルーツ味、レモンティー味、ソーダ味(これはちょっと微妙…)、あと一つは忘れましたが、それだけ食べても「美味しい!」と思える旨さです。
いかがでしたでしょうか。カロリーゼロゼリーは「一日一食ダイエット」には欠かせないアイテムかと思いますので、1つずつチェックし、皆さんのお好みのアイテムを探してくださいね。
オリヒロ ぷるんと蒟蒻ゼリー カロリーゼロ グレープフルーツ 130g×8個
- 出版社/メーカー: オリヒロ
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