やはり世界を動かすのは当事者意識、映画『64(ロクヨン)前編』に感動
いまさらながら、警察の広報官と記者クラブの対立を描いた映画『64(ロクヨン)前編』を観たというお話です。この話をすると、知り合いには「出た出た、当事者意識ですか(笑)」とクスクスされちゃうのですが、改めて「やはり世界を動かすのは当事者意識だな」と感じました。
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ノーカット10分のクライマックスに圧巻
64は、リアルな警察ドラマを描かせたらこの人の右に出る人はいないという、元警察担当の記者である横山秀夫(wikipediaはこちら)が原作。物語自体は、昭和天皇崩御で平成に元号が変わるニュースに埋もれた中で、未解決のままになってしまった昭和64年に起きた誘拐事件を軸に進みます。その誘拐事件を担当した元刑事である主人公が、不本意ながらも広報官となり、64の事件に関係した人たちとの交流や上司と記者との板挟みの中で、広報官として成長していく物語を描きました。
警察にとって都合の悪い情報を隠蔽したい警察上層部と、情報開示を迫る記者たちの間に挟まれて悪戦苦闘する広報官。板挟みの末、「広報官」としてではなく、「個人」として記者たちと最後の対話に臨むクライマックスシーンが、この物語の最大の見どころです。この10分程度のクライマックスシーンをノーカットで演じ抜いた佐藤浩市の鬼気迫る演技もあり、一人ひとりの心に響く声は、やはり同じ一人の「個人」から発せられるものなのだなと、改めて感じました。
その言動、「個人」で考え抜いた結果か
「組織」に属していると、「組織の損得ではどうか」「最終的には組織が助けてくれるはず」などと無意識に考えて、当事者である「個人」として思考停止状態の言動を取ることもあると、我が身を振り返って反省します。「当事者意識」といつも意識しつつも、そう思えてしまう状況であるのが現実です。
願わくは、いくら素晴らしい理想や理念を抱く「組織」に属していても、「その言動は一人の個人として考え抜いた結果なのかどうか」を、常に自問自答できる「個人」でありたいものです。早く後編観に行きたいなぁ〜
- 作者: 横山秀夫
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