今ネットの世界で何が起きているのか―キュレーションの時代
下記のイケメン、あるいはちょい悪オヤジが上梓した、
入魂の力作「キュレーションの時代」を読了しました。
キュレーションというのは「情報の”目利き”が重要になってきているよ」みたいな感じの意味で、
テレビとかで取り上げられないような埋もれた情報が有名になったり、
それが信じられないくらいの勢いでみんなに知れ渡るようなイメージの言葉。
(正確な意味=本書参照=は違うけどまずは最初のイメージで)
そういうのがうまい人が「あなたはキュレーターですよねwww」とか呼ばれたり、
テレビとかと比べてもそういうキュレーターが「すげー影響力ある!」と感じられる方向感みたいな感じ。
まあ、、、
キュレーションという意味はよう分からんとして、
(というかネット使ってる人の間ではこんなバズワード使わなくても分かりきっているような感覚ではある)
要はネット上の人と人のつながりの強化や情報共有が、
既存の価値観(資本主義、大量消費主義、マスメディア隆盛etc)を壊し、
新しい価値観をもたらし始めているよ、
というようなことを哲学入門書的な表現は平易だけど難しいこと言ってるみたいな感じで、
ツラツラとやっている本というわけです。
象徴的な言葉がこれ。
-----引用ここから
マスメディアが支援する暗黙的で同心円的で自己完結的な関係から、
ソーシャルメディアが支援する明示的で多心円的で不確定的な関係へ
-----引用ここまで
テレビとかがアイドルとか使って曖昧な形で「みんなー!今これきてるよー!!」みたいにやると、
曖昧で浅はかな視座にもかかわらず「もう知ってるよー!超やばいよねー!」って返すあの感じに対し、
ブログとかツイッターで「おれはこう考える。あいつの考えとは違う!」みたいに、
多少は偏っていても視座を明確にして、
でも他のそれぞれの視座を尊重する柔軟性を持ちながら、
「うーむ、でもあいつの意見はもっともだな、、、さて、ちと自分チューニングすっか」みたいにして、
不特定多数の人と人のつながりを重視しつつ、自分の視座もめまぐるしく微調整しながら、
「おれ的」「自分風」なキャラを日々進化させていく人が増え、
その結集が世界を変えていくかも?かも?みたいな時代になってきてない?みたいな、、、
というようなことらしく、
それを説明している自分も何をいっているかよく分からないけど、要は、
ネット使って情報接点の数と質が向上したことで、
自分改革して集団洗脳の世界からようやく脱却できる世界が見えてきたよ!姉さん!
みたいな話。
こう言ってしまうと身も蓋もないない話で、
ネット使い慣れている人にとっては、
「キュレーション佐々木に言われなくてもそんなことは前から知ってるよ!」
って声が聞こえてきそうだけど、
世の中はそんなこと言えない人がかなり多い。
自分も含めて、
まだまだネットのハードユーザーや自称情強みたいな人は少なく、
そういう存在がこれから底上げされることによってさらに情報社会が進化するかも?かも?
さらに自称情強みたいな存在もより柔軟な考えで互助の精神に芽生え情報格差の壁に一定の変化をもたらすかも?かな?
みたいなところから考えると、非常によくまとまっていて、
情報社会の進化を推進する役割も担えそうな分かりやすいネット社会入門書としての良書。
さすがは泣く子も黙るキュレーション佐々木☆
ただ、
それでも「ネット万歳!」的なキュレ佐々木氏の話は、
「それってクリエーターに限らない?」
「自分自慢したい人に限らない?」
「リア充に限らない?」
みたいな疑問やすんなり納得できない点も多く、
キュレーションの時代になるにはまだ課題もありそう。
老害の抵抗も激しいしね、、、マスメディアとバトってる佐々木氏は当然知ってのことだとは思うが、、、
とはいえ、
ここまでネット文化とか文明を万人に向け体系的に整理して語れる人は、
キュレ佐々木氏しかいないのでは、
と感じてしまうほどの力作でした☆