大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

イクメンになれなかった「残念な夫」

 「どうしてパパ会(※)の代表をやってるんですか?」とよく聞かれますが、正直、いつも答えに窮してしまいます(※育児支援施設「堀之内カシュカシュ」のパパ会。ブログはこちら)。

 パパ会の創設者で前代表の田所喬さんに「いい加減な人を探していたので、ぜひ!」とよく分からない理由でお願いされ、「はぁ…」となぜか引き受けてしまっただけの話ですから。。

 とは言え、まあ、代表ではあるので、「はぁ…」とか言いつつも、なぜ引き受けてしまったのかを、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

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こんなはずじゃなかったのに…

 一つ思い当たるのは、男性の積極的な育児を称賛する「イクメン」という言葉です。

 うちの息子は、2015年7月2日時点で2歳9か月、ようやく「イヤイヤ期」を脱したと思いきや、今度は「ギャング期」。見透かしたように親がやってもらいたくないことを、的確かつ迅速に実行し続けています。

 そんな息子に「コラー!」とか言いながらなす術もなく、家にいるほとんどの時間は高確率で妻に怒られている自分は、まさに「残念な夫」(「残念な夫。」の詳細はこちら)です。子どもができたと知った時は、「絶対にイクメンになるぞ!」との誓いを立てていたのですが。。

 思い返してみれば、イヤイヤ期も、その前の夜泣きが酷い時期や離乳期も「残念な夫」だった気がします。「おかしいな…」「こんなはずじゃなかったんだけど…」とイクメンへの憧れを捨てきれずにいた当時、「パパ会の代表をやりませんか?」という話が飛び込んできて、そこに飛びついたのが、正直なところです。家の中でイクメンできていないのを、家の外でイクメンを演じる方向に進んでしまったわけです。

自分たちの嫌なところ

 それが良いことなのか悪いことなのかは置いておくとして、本質的な問題は「家の中でイクメンになる」ことですよね。

 真面目な話、怠けて「残念な夫」になったわけではないと思っています。イクメンになるために、さまざまな試みはしてきました。ところが、平日の朝と夜の少ない時間で育児に協力できることは限られ、休日に気合いを入れて協力しようとしても、妻から見ると見当違いなことをしちゃっていたり、ちょっと目に付いたことを妻に意見しちゃったりすると、大変な目に会います。

 そうなってくるとイクメンとか言ってる場合じゃなく、「残念な夫」だろうが何だろうが、とにかく目の前の協力できることをやっていくしかありません。そうしてイクメンへの憧れは日に日に薄れていきましたが、「残念な夫」である現実への違和感は消えません。そんな時、妻のあるママ友が言っていたという話を聞き、この違和感が少し和らいだ気がしました。

 要約すると、「子育てでつらいのは、自分やパートナーの嫌なところが、子どもを通して見えちゃうところ。そこには、これまで目を背けてきた自分たちの嫌なところを受け入れるか、乗り越えるかという選択を迫られるという問題があり、それはつらいことだけど、人として一段高みに進むためのチャンスなのでは」という話でした。「このママすごいな!」と思うと同時に、妙な納得感がありました。

 パパもさまざまなので、理想のイクメンになれたパパもたくさんいると思います。ただ、自分はイクメンでは全くなく、そうさせてしまっているのは、自分たちの嫌なところから目を背け続け、理想(幻想?)のイクメンとのギャップに苛立っていたのだと思います。幻想を追わず、「残念な夫」でもいいので、子どもを通して見えてくる目の前の現実を受け入れ、乗り越えようとする姿勢が必要なのではと、最近はよく思います。

「残念」ではあるけれど

 相変わらず家の中ではギャングが横行し、妻から定期的に怒られ続ける日々が続いています。

 妻は、ママたちは、本当に辛抱強く、愛情深く、苦しみながらも子育てを楽しんでいると思います。心底すごいと思し、ママの代わりになることは絶対にできないけれど、たまには「やるじゃん!」と言われる「残念だけど少しは使える夫」を目指そうと、そう思い始めたところです。

 我が子はかわいく、成長を見るのは楽しいですが、イラッときたり、落ち込んだりすることも多いです。そういう時は元気になれる好きな曲を聞いたりして凌いでいます。好きなのは、「高橋優」という歌手で、最近では「明日はきっといい日になる」という曲が気に入っています。

 少し引用します。

まあいっかと割り切れなければ
とっておきの笑い話にしよう
明日はきっといい日になる いい日になる

 子育てに向き合いつつ、大変なママに気を使いながらも、つらいときはリフレッシュし、「残念だけど愉快な夫」でいたいですよね。それと一人で思い悩んでしまった時、特に何もできませんし、お茶も出ませんが、堀之内周辺のパパであれば、どうぞお気軽にパパ会にご参加ください。

 ところで、パパ会の代表を引き受けたもう一つの理由を思い出しました。

 どんな活動をしているのかまで詳細は知らないのですが、冒頭の田所さんが「僕らの八王子に暮らす子育て世代のために、できることをしたい」と駆けずり回っている姿を見て、「ちょっとくらいなら手伝ってもいいかな」と感じたのは、代表を引き受けた確かな理由の一つです。「残念」でもパパにはパパのできることもあると思いますし。まあ、ジャストアイデアですが。