大栗川通信

元記者でマーケターになった中年男「サパロメ」が、本や映画(アニメ、テレビ)や家電のレビュー、育児やブログ運営、ダイエットなどについて雑記をつづります

人間を襲う恐怖とは何か、襲われる側のリアルを感じた「シン・ゴジラ」に感動

 エヴァンゲリオン大好き世代です。

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 ということで、我らが庵野秀明監督による今話題の映画「シン・ゴジラ」を観てきました。「ニッポン対ゴジラ」のキャチフレーズ通り、今の日本にゴジラが襲ってくる「リアル」を感じる作品でした。そして、とてもよくできたエヴァンゲリオンでした。

徹底取材によるリアル

 「ゴジラ」というブランドは長年、人間を襲う恐怖を象徴するコンテンツとして活用されてきました。しかし、ブランドを頼りにできる制作サイドのおごりや怠慢が原因か、やがてコンテンツの質低下でそのブランドは色あせていった印象を受けています。いつの間にかハリウッドでリメイクされ、米国で大ヒットしたという情報を聞いた際は、「日本発ブランドのはずなのになぁ…」と少し残念に思ったことを思い出します(ブランドが世界展開したとも考えられますが)。

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 「シン・ゴジラ」は、恐怖の象徴であるゴジラの暴れっぷりや映像表現も相当に凄まじく、迫力満点で興奮しますが、最大の魅力は今の日本人が見て「リアル」を感じられる舞台設定だと、個人的には考えています。エンドロールには、取材協力として政府の各機関名が明記されており、庵野監督は仮にゴジラが日本を攻めてきた場合、日本政府がどのような危機対応をするのか、想定される詳細を政府に直接取材したようです。個人的には、記者としていくつかの府省庁を取材した経験もあるため、専門家たちによる検討会の様子や官僚が政治家に専門的な内容をレクチャーする場面などは、特にリアルを感じました。

本質追求と多角的な視点でブランドは色あせない

 詳細な取材をベースに描かれたリアルな設定を通じて、多くの日本人は「今の日本にどのような課題があるのか」「その課題を乗り越えるためには何が必要なのか」「日本の強みをどう生かせばいいのか」などと、思いをはせたのではないでしょうか。単に迫力ある映像表現による「リアル」ではなく、設定の「リアル」を通じて「ニッポン対ゴジラ」を描いたところに、この作品の醍醐味はあると思っています。

 人間を襲う恐怖とは何か――。襲う側ではなく、襲われる側のリアルを追求し、「ゴジラ」という日本発ブランドを取り戻すことに成功した同作品には、既存ブランドに頼らず、常に本質を追求してブランドを刷新し続けることの大切さと、多角的な視点で物事を見る必要性という隠されたメッセージがあるように思えます。

 ところで、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の方はどうなったのでしょうかね。なんだか、「シン・ゴジラ」は続編があるような終わり方だったと個人的には感じているので、またさらに遅れるのでしょうか。何というか、エヴァンゲリオンにはまったのは学生時代で、気が付けば40代。。。しかも、新劇場版の一作目と二作目に当たる「序破」は最高に感動しましたが、個人的には最新作の「Q」はよく分からず、途中で寝てしまいました。。。「シン・ゴジラ」がシリーズとして続くのであれば、もう学生時代のエヴァンゲリオン熱は冷めつつあるので、個人的にはこちらで最高の結末を迎えていただければ、ありがたき幸せに存じます。

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